ゴグ・マゴグの戦いは世の終わりの最終戦争です。
エゼキエル書36~39章によると、この戦いを通して次のことが起こります。
・諸国民がイスラエルの聖なる神「主」を知るようになる(38:16、23、39:7、27)
・イスラエル全家が主を知り、主の聖なる御名を二度と汚さなくなる(39:7、22、28)
・イスラエル全家に主の霊が注がれて生き返る(37:14、39:29)
・イスラエルの民が約束の地に帰って来て、永遠に住む(37:25.39:27~28)
・イスラエルは一つの国となり、ダビデが永遠に君主となる(37:22、24、25)
・主はイスラエルと平和の契約を結び、聖所を永遠にイスラエルの内に置く(37:26~28)
ゴグ・マゴグの戦いが終結すると、イスラエル民族も諸国民も主を知ります。アブラハムへの土地の約束が成就し、主がイスラエルに住まわれ、神の国が地上に到来します。
1.真の神の証明
① 諸国民はイスラエルの神が主であると知る
神様はイスラエルを試金石のように用いて、神に反抗する罪人と、悔い改めて救われる義人とを選び分け、救いと裁きを実行されます。大艱難時代の終わりに起こる最終戦争では、全ての国々がイスラエルとエルサレムを攻撃するために集まって来ます。
エゼキエル38:16
おまえはわたしの民イスラエルを攻めに上り、地をおおう雲のようになる。終わりの日に、そのことは起こる。ゴグよ、わたしはおまえに、わたしの地を攻めさせる。それは、わたしがおまえを使って、国々の目の前にわたしが聖であることを示し、彼らがわたしを知るためだ。
神がゴグにイスラエルを攻撃させるのは終わりの日です。その目的は全世界の民にご自分こそ全地の神であると認めさせることです。諸国の民は、かつてない大地震、天から降り注ぐ火と硫黄、疫病などの異常現象を見て、イスラエルの神が自然界をも支配する偉大な神であると知ります。
エゼキエル38:21~23
わたしは剣を呼び寄せて、わたしのすべての山々でゴグを攻めさせる。・・・わたしは疫病と流血で彼に罰を下し、彼と、彼の部隊と、彼とともにいる多くの国々の民の上に豪雨、雹、火、硫黄を降らせる。わたしは、わたしが大いなる者であること、わたしが聖であることを示し、多くの国々の見ている前でわたしを知らせる。そのとき彼らは、わたしが主であることを知る。
かつて主は、イスラエル民族を奴隷から解放させるためにエジプトに十の災いを起こされました。
傲慢で主を侮っていたパロはようやくイスラエル民族を出発させますが、気が変わって全軍を率いて追いかけてきます。主は紅海を真っ二つに分けてご自分の民を通らせて救い出し、イスラエルを追いかけて紅海に入ったパロとエジプト軍の上に水を返して全滅させました。それを見た周辺の異邦民族は、自然界を従わせて奇跡を行い、エジプト軍を破ってご自分の民を救い出されたイスラエルの神を畏れました。
同様に、イスラエルを滅ぼそうとするゴグと諸国の軍隊が様々な災いに襲われ、全滅させられるのを見て、諸国民はイスラエルの神を畏れ、崇めるようになります。主は諸国の民に、イスラエルの神は、ご自分の民を守る力ある神、救い主であること、イスラエル民族に対する神の約束は真実であることを実証し、諸民族の傲慢を打ち砕かれます。
諸国民がイスラエルの神こそ真の神であると知り、聖書の神を認めることは世の終わりまで起こりませんので、ゴグ・マゴグの戦いは終末の最終戦争ということになります。
② イスラエル民族がメシア・イエス様を知る
大艱難時代は、神の国が生み出されるために全世界の人々が経験する困難な時代ですが、特にイスラエルは、「ヤコブの苦難の時」と呼ばれる、かつてないほどの苦しみを通らされることになります。それは、メシア・イエスを拒絶した頑な心と不信仰を砕くためです。
イスラエル民族は諸国から憎まれて常に攻撃され、民族の存続をかけて戦ってきましたが、諸国の軍隊がエルサレムとユダヤ民族を絶滅しようと総攻撃をかけて来る時、自らの知恵と軍事力では対抗することができなくなります。最終的にイスラエルは神の助けを叫び求めることになります。
その時、約束されていたメシアが天から来られ、イスラエルの敵を滅ぼし、絶体絶命の民を救われます。
ゼカリヤ12:9~10
その日、わたしはエルサレムに攻めて来るすべての国々を根絶やしにしよう。わたしは、ダビデの家とエルサレムの住民の上に、恵みと嘆願の霊を注ぐ。彼らは、自分たちが突き刺した者、わたしを仰ぎ見て、ひとり子を失って嘆くかのように、その者のために嘆き、長子を失って激しく泣くかのように、その者のために激しく泣く。
イスラエル民族は、イエス・キリストの御名に敵対し、新約聖書と福音に反抗し続けてきました。
イスラエルを救出するために天から来られたメシアの両手両足に十字架の釘の跡を見た時、彼らはようやく真実を悟り、イエス様を拒否し続けた罪を民族的に悔い改めることになります。
エゼキエル39:7
わたしは、わたしの聖なる名をわたしの民イスラエルの中に告げ知らせ、二度とわたしの聖なる名を汚させない。諸国の民は、わたしが主であり、イスラエルの聖なる者であることを知る。エゼキエル39:21~22
わたしが国々の間にわたしの栄光を現すとき、国々の民はみな、わたしが行ったわたしのさばきと、わたしが彼らの上に置いたわたしの手を見る。その日以降、イスラエルの家は、わたしが彼らの神、主であることを知る。
ゴグ・マゴグの戦いは、イスラエルの最終的な悔い改めと救いをもたらします。
イスラエル民族は神の圧倒的勝利を体験し、義なる裁き主、イスラエルの救い主はイエス様であったことを知ります。自分たちが救い出された日を境に、「わたし」がイエス様であることを悟り、二度と主の聖なる御名を汚さなくなるのです。
イスラエルが民族的に悔い改めてイエス様をメシアと認めることは、主の再臨時まで実現しません。ですから、エゼキエル38章、39章の戦いが起こるのは、大艱難時代の終わり頃になります。
③ 聖なる御名のための戦い
エゼキエル36:17~20
「イスラエルの家が自分の土地に住んでいたとき、彼らはその生き方と行いによって、その地を汚した。・・・それでわたしは、彼らがその地に流した血のために、また偶像でこれを汚したことのゆえに、わたしの憤りを彼らに注いだ。わたしは彼らを諸国の間に散らし、彼らを国々に追い散らし、彼らの生き方と行いにしたがって彼らをさばいた。彼らはどの国々に行っても、わたしの聖なる名を汚した。人々は彼らについて、『この人々は主の民なのに、主の国から出されたのだ』と言ったのだ。
旧約時代のイスラエルは、不信仰・不義・不正に陥り、偶像礼拝で神を怒らせ、アッシリヤ捕囚やバビロン捕囚という裁きを受けました。イスラエル民族が悪を行い、背信したために他国の侵略を受け、領土を奪われ、「主の国から出された」と諸国民から貶されることは、主の聖なる御名を汚すことになります。「イスラエルの神には民を守る力がない、イスラエルの神は民を見捨てた」と嘲けられることは、契約を守るイスラエルの神の真実と全能性が否定され、御名の権威に傷がつけられることです。
捕囚から戻って来たユダヤ人たちはメシア・イエス様を拒否し、十字架につけて殺しました。そして宗教指導者たちは主の弟子たちを迫害し、その悪い生き方と行いによって父祖の地を汚したので、イスラエルはローマ帝国に滅ぼされ、ユダヤ人たちは約束の地から追い出され、世界離散してしまいました。彼らは流浪の民となり、「キリスト殺し」、「悪魔の民族」として憎まれ、行く先々で迫害を受け、虐殺されました。
イスラエルは1948年に再建国し、ユダヤ人たちは散らされていた140以上の国々から帰還し、経済的に繁栄した豊かな国となりましたが、「血統的ユダヤ民族はもはや存在しない」「ユダヤ人はパレスチナを侵略し、領土を奪い取り、パレスチナ人を虐待する人種差別国家である」と、国連を始め国際社会から今も非難され続けています。
「ユダヤ人」は悪者の代名詞のように使われ、「ユダヤ陰謀論」が流布され、世界中で忌み嫌われています。多くの場合、「ユダヤ人」という呼称は「アブラハム・イサク・ヤコブ」の血統的子孫を指しているわけではなく、ユダヤ教に改宗し、世界で悪を行う「偽ユダヤ人」を指しています。そうであっても、「ユダヤ人」が非難されることは、聖書の神が侮辱されることです。
最後の時代には、ユダヤ人たちが再びイスラエルの地から追い出され、離散すると預言されています。
・イスラエル国の領土が周辺諸国に荒らされ、踏みつけられ、奪われ、エルサレムが異邦人の所有となり、イスラエルは諸国民からそしられるようになります(エゼキエル36:2~5)。
・イスラエルの地が荒らされ、嘲られ、国々から侮辱されたため、主がねたみと憤りをもって周辺諸国に立ち向かわれます(36:6~7)。
・主はイスラエルの地に来られ、イスラエル民族を帰還させ、相続地を所有させます(36:8~12)。イスラエルは以前より繁栄して主を知り(36:11)、二度と諸国から侮辱されることはありません(36:15)。
エゼキエル36:21~23
わたしは、イスラエルの家がその行った国々の間で汚した、わたしの聖なる名を惜しんだ。それゆえ、イスラエルの家に言え。神である主はこう言われる。イスラエルの家よ。わたしが事を行うのは、あなたがたのためではなく、あなたがたが行った国々の間であなたがたが汚した、わたしの聖なる名のためである。わたしは、あなたがたが国々の間で汚したわたしの大いなる名が、聖であることを示す。あなたがたが彼らのただ中で汚した名である。わたしが彼らの目の前に、わたしがあなたがたのうちで聖であることを示すとき、国々は、わたしが主であることを知る──神である主のことば──。
イスラエルの神の御名は今も侮辱されています。神様は、イスラエルの数々の失敗、過ち、罪、不義にもかかわらず、ご自分の御名にかけてイスラエル民族を回復させ、約束の地を相続させます。それにより、主はご自分の正義と全能の力と御名の聖なることを全地に証明されるのです。
そのことは、ゴグ・マゴグの戦いが終わった(39:20)後で実現します。
エゼキエル39:25~27
それゆえ、神である主はこう言われる。「今わたしはヤコブを回復させ、イスラエルの全家をあわれむ。これは、わが聖なる名への、わたしのねたみによる。彼らが自分たちの地に、誰にも脅かされずに安らかに住むとき、彼らは自らの恥辱と、わたしに対するすべての不信の罪との責めを負う。わたしが彼らを諸国の民の間から帰らせ、彼らの敵の地から集めるとき、多くの国々が見ている前で、わたしは彼らのうちにわたしが聖であることを示す。
ゴグ・マゴグの戦いの結果、イスラエルは約束の地を所有し、イスラエルの神の御名が全地に知れ渡ります。
2.アブラハムへの約束の実現
ゴグ・マゴグの戦いを通して、イスラエルに復活、帰還、聖霊の注ぎが実現します。
① 復活・栄化が起こる
エゼキエル37章には、エゼキエルが主に命じられてイスラエル全家の殺された者たちの干からびた骨に預言すると、四方から息が吹いてきて、骨がつながり、筋が付き、肉を生じ、皮膚が覆い、息が入り、生き返るという幻が記されています。これは、神が死んでいたイスラエル人たちに新しい身体を与え、霊を入れてよみがえらせること、つまり世の終わりの復活を表しています。
エゼキエル37:12~14
それゆえ、預言して彼らに言え。『神である主はこう言われる。わたしの民よ、見よ。わたしはあなたがたの墓を開き、あなたがたをその墓から引き上げて、イスラエルの地に連れて行く。わたしの民よ。わたしがあなたがたの墓を開き、あなたがたを墓から引き上げるとき、あなたがたは、わたしが主であることを知る。また、わたしがあなたがたのうちにわたしの霊を入れると、あなたがたは生き返る。わたしはあなたがたを、あなたがたの地に住まわせる。このとき、あなたがたは、主であるわたしが語り、これを成し遂げたことを知る──主のことば。』
メシアが来ると死者が復活し、聖徒たちは約束の地を相続します。エゼキエルを通して語られた主は、後に人となってイスラエルに来られ、ご自分が終わりの日に義人をよみがえらせるメシアである事を示されました。
ヨハネ5:28~29
このことに驚いてはなりません。墓の中にいる者がみな、子の声を聞く時が来るのです。そのとき、善を行った者はよみがえっていのちを受けるために、悪を行った者はよみがえってさばきを受けるために出て来ます。
旧約時代の聖徒たちはメシアの名前を知りませんでしたが、その方が将来、義人をよみがえらせて約束の地を相続させてくださると信じて眠りにつきました。主は、天に帰っていた彼らの霊を一緒に連れて来られ、新しいからだに入れて下さるので、アブラハムをはじめ、イスラエルの義人が復活します。主イエスの約束は、まずイスラエルに対する約束です。そして、主を信じてアブラハムの子孫となった異邦人にも適用されます。
② イスラエル12部族の帰還
散らされていたイスラエルの民を約束の地へ帰還させるという約束が実現します。
エゼキエル36:24
わたしはあなたがたを諸国の間から導き出し、すべての国々から集め、あなたがたの地に連れて行く。イザヤ11:10~12、15~16
その日、エッサイの根は、国々の民の旗として立ち、国々は彼を求め、彼のいこう所は栄光に輝く。その日、主は再び御手を伸ばし、ご自分の民の残りを買い取られる。残っている者をアッシリヤ、エジプト、パテロス、クシュ、エラム、シヌアル、ハマテ、海の島々から買い取られる。主は、国々のために旗を揚げ、イスラエルの散らされた者を取り集め、ユダの追い散らされた者を地の四隅から集められる。・・・・主はエジプトの海の入江を干上がらせ、また、その焼けつく風の中に御手を川に向かって振り動かし、それを打って、七つの水無し川とし、くつばきのままで歩けるようにする。残される御民の残りの者のためにアッシリヤからの大路が備えられる。イスラエルがエジプトの国から上って来た日に、イスラエルのために備えられたように。イザヤ27:12~13
その日、主はユーフラテス川からエジプト川までの穀物の穂を打ち落とされる。イスラエルの子らよ。あなたがたは、ひとりひとり拾い上げられる。その日、大きな角笛が鳴り渡り、アッシリヤの地に失われていた者や、エジプトの地に散らされていた者たちが来て、エルサレムの聖なる山で、主を礼拝する。
世界離散していたイスラエル民族を、主ご自身がエルサレムに連れ帰ります。バビロン捕囚された南ユダ王国の子孫たち、アッシリヤ捕囚以来、行方不明になっていた北イスラエル王国の末裔たち、異国の地で死んだ者たちもよみがえり、共に離散の地から帰って来ます。
離散民の帰還は、初めモーセを通して約束されました。
ネヘミヤ1:8~9
どうか、あなたのしもべモーセにお命じになったことばを思い起こしてください。「あなたがたが信頼を裏切るなら、わたしはあなたがたを諸国の民の間に散らす。あなたがたがわたしに立ち返り、わたしの命令を守り行うなら、たとえ、あなたがたのうちの散らされた者が天の果てにいても、わたしは彼らをそこから集め、わたしの名を住まわせるためにわたしが選んだ場所に連れて来る。」
「わたしの名を住まわせるために私が選んだ場所」とはエルサレムです。世界離散していたイスラエル民族を主がエルサレムに連れ戻されます。
イスラエル再建国以降、世界中からユダヤ人の帰還が続いていますが、再臨された主は、イスラエル民族を一人残らず約束の地に連れ戻されるのです。
③ イスラエル全家に主の霊が注がれる
イスラエル12部族が約束の地で一つの群れとなった時、全イスラエルに主の霊が注がれ、全ての不義からきよめられます。
エゼキエル36:24~28
わたしはあなたがたを諸国の間から導き出し、すべての国々から集め、あなたがたの地に連れて行く。わたしがきよい水をあなたがたの上に振りかけるそのとき、あなたがたはすべての汚れからきよくなる。わたしはすべての偶像の汚れからあなたがたをきよめ、あなたがたに新しい心を与え、あなたがたのうちに新しい霊を与える。わたしはあなたがたのからだから石の心を取り除き、あなたがたに肉の心を与える。わたしの霊をあなたがたのうちに授けて、わたしの掟に従って歩み、わたしの定めを守り行うようにする。あなたがたは、わたしがあなたがたの先祖に与えた地に住み、あなたがたはわたしの民となり、わたしはあなたがたの神となる。ゼカリヤ13:1~2
その日、ダビデの家とエルサレムの住民のために、罪と汚れをきよめる一つの泉が開かれる。その日──万軍の主のことば──わたしはもろもろの偶像の名を、この地から絶ち滅ぼす。それらの名はもう覚えられない。わたしはまた、その預言者たちと汚れの霊をこの国から除く。
聖霊によってイスラエルがきよめられると、イスラエル民族と神との関係が回復されます。
エゼキエル39:27~29
わたしが彼らを国々の民の間から帰らせ、彼らの敵の地から集め、多くの国々が見ている前で、彼らのうちにわたしの聖なることを示すとき、彼らは、わたしが彼らの神、主であることを知ろう。わたしは彼らを国々に引いて行ったが、また彼らを彼らの地に集め、そこにひとりも残しておかないようにするからだ。わたしは二度とわたしの顔を彼らから隠さず、わたしの霊をイスラエルの家の上に注ぐ。──神である主の御告げ──
ゴグ・マゴグの戦いが終焉すると、世界中から聖徒たちがエルサレムに集められ、イスラエル全家に聖霊が注がれます。イスラエルはすべての不義からきよめられ、神の民となります。
3.人類救済計画の完成と、永遠の御国到来
イスラエルは諸国民に真の神を証し、諸国の罪のために取り成しをする祭司の国です。イスラエルは不従順で多くの罪を犯してきましたが、神はイスラエルとの契約を破棄されたわけではありません。イスラエルには、神の国において永遠に祭司として仕えるという使命があります。
① 一つの国、一人の王
分裂していた北イスラエル王国と南ユダ王国は、一人の王によって再び一つの国になります。
エゼキエル37:21~25
彼らに告げよ。『神である主はこう言われる。見よ。わたしはイスラエルの子らを、彼らが行っていた国々の間から取り、四方から集めて彼らの地に導いて行く。わたしが彼らを、その地、イスラエルの山々で一つの国とするとき、一人の王が彼ら全体の王となる。彼らは再び二つの国となることはなく、決して再び二つの王国に分かれることはない。
彼らは再び、その偶像や忌まわしいもの、またあらゆる背きによって身を汚すことはない。わたしは、彼らがかつて罪に陥ることになった背信から彼らを救い、彼らをきよめる。彼らはわたしの民となり、わたしは彼らの神となる。
わたしのしもべダビデが彼らの王となり、彼ら全体のただ一人の牧者となる。彼らはわたしの定めに従って歩み、わたしの掟を守り行う。彼らは、わたしがわたしのしもべヤコブに与え、あなたがたの先祖が住んだ地に住むようになる。そこには彼らとその子らとその子孫たちが、とこしえに住み、わたしのしもべダビデが永遠に彼らの君主となる。
ゴグとその軍隊が滅ぼされると、イスラエル民族が永遠に約束の地を所有します。イスラエルは一つの国となり、復活したダビデが永遠にイスラエルの君主となります。
② 永遠の平和の契約
エゼキエル37:26~28
わたしは彼らと平和の契約を結ぶ。これは彼らとの永遠の契約となる。わたしはそれを彼らに与え、彼らを増やし、わたしの聖所を彼らのうちに永遠に置く。わたしの住まいは彼らとともにあり、わたしは彼らの神となり、彼らはわたしの民となる。わたしの聖所が永遠に彼らのうちにあるとき、諸国の民は、わたしがイスラエルを聖なる者とする主であることを知る。』
神とイスラエルの間に平和が回復し、主イエスは永遠にイスラエルの中に住まわれます。
エレミヤ31:10~13
諸国の民よ、主のことばを聞け。遠くの島々に告げ知らせよ。「イスラエルを散らした方がこれを集め、牧者が群れを飼うように、これを守られる」と。主はヤコブを贖い出し、ヤコブより強い者の手から、これを買い戻されたからだ。彼らは来て、シオンの丘で喜び歌い、主が与える良きものに、穀物、新しいぶどう酒、オリーブ油、羊の子、牛の子に喜び輝く。彼らのたましいは潤った園のようになり、もう再び、しぼむことはない。そのとき、若い女は踊って楽しみ、若い男も年寄りも、ともに楽しむ。「わたしは彼らの悲しみを喜びに変え、彼らの憂いを慰め、楽しませる。
神はイスラエルと平和の契約を結び、主の聖所は永遠にエルサレムに置かれ、イスラエルは祝福と繁栄を受け取ります。
③ 新しいエルサレムへの道
アブラハムの子孫たちに約束された相続地は、「ユーフラテス川からエジプト川まで」です。天から降って来る新しいエルサレムの領土は、その範囲をカバーします。
イザヤ35:8~10
そこに大路があり、その道は聖なる道と呼ばれる。汚れた者はそこを通れない。これは、贖われた者たちのもの。旅人も愚か者も、これに迷い込むことはない。そこには獅子もおらず、猛獣もそこに上って来ず、そこで出会うこともない。ただ、贖われた者たちがそこを歩む。主に贖われた者たちは帰って来る。彼らは喜び歌いながらシオンに入り、その頭にはとこしえの喜びをいただく。楽しみと喜びがついて来、悲しみと嘆きとは逃げ去る。
メシア王国が始まり、失われていた12部族がシオンの山に再集合し、主を礼拝します。
「大路」は「聖なる道」、贖われた者たちだけが通ることのできる道です。それは「いのちの書」に名前の記された人々が「新エルサレムに入るための道」を表していると思われます。
詩編69:35~36
まことに神がシオンを救い、ユダの町々を建てられる。こうして彼らはそこに住み、そこを自分たちの所有とする。主のしもべの子孫はその地を受け継ぎ、御名を愛する者たちはそこに住みつこう。
主イエスが地に住むために天から降って来られると、主の御座のある新しいエルサレムも地上に降って来ます。アブラハムとその子孫(異邦人も含む)への約束は新しいエルサレムで完結します。永遠のいのちが実現し、神と民との関係が回復され、永遠の神の国が地上に到来します。
結論
エゼキエル書36~39章からゴグ・マゴグの戦いの結末をまとめます。
・主がイスラエルの敵と戦うために天から降って来られ、イスラエルを攻撃するゴグと諸国軍が滅ぼされると、諸国民がイスラエルの聖なる神を知り、イスラエル民族も十字架につけられたイエスがメシアであったことを悟ります。主の御名は全地で聖とされ、二度と汚されることはありません。
・離散していたイスラエル民族が約束の地に集められ、永遠の相続地を受け取ります。分裂していたイスラエル国は一つになり、復活したダビデが永遠にイスラエルの王となります。
・民に主の霊が注がれてきよめられ、神はイスラエルと永遠の平和の契約を結び、イスラエルの神と民の関係が回復します。主はイスラエルの中に聖所を置き、永遠にともに住まわれます。
ゴグ・マゴグの戦いが終わると、主が治める地上の神の国が実現します。
世界情勢を御言葉によって見分け、主の再臨を待ち望みましょう!
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